扉がバーンっと開いた。
扉の向こう側には幼い私がいた。
彼女の感情が入ってくる。
わかってほしい。
わかってほしい。
そうじゃない。
誤解しないで。
言いたいことが伝えられない。
すべてお母さんに遮られてしまう。
支配的なお母さん。
お母さんはそれに気づいていない。
私は私なのに、自分の気持ちが言えない。
お兄ちゃんが怖い。
お母さん助けてと言えない。
聞こうとしてくれないお母さん。
聞く耳を持ってくれないお母さん。
聞く暇もないお母さん。
自分がその環境の中で適応して過ごすためには、自分の意思を抑えることしかなかった。
私は、ただわかって欲しかっただけなんだ。
ただそれだけ。
自分の感情を出さないことが私にとっては当たり前になった。
涙が止まらない。