お母さんがここまで生きてこれたのは、周りの人に支えられてきたからだよ。人に対する感謝の気持ちは大事なことだよ。
子供が小さい頃から、何かの折にこのセリフを言ってきていた。これは、演じていた自分が言っていたセリフ。
こうやって言うことで、自分は誰も恨んでいない、人に感謝する美徳な気持ちを持ち 謙虚に生きてきたのよ、汚い心は持たず内面が美しいのが自慢なのよってことを子供じゃなく自分に思い込ませていた。
ACと気づいてからは、こんなことをぬけぬけと自慢げに喋っていた自分が恥ずかしかった。
人に感謝することが大事って…そんなの感謝していたら大事に思うことが当たり前なのに。いちいち口に出していうこと自体がわざとらしすぎる。
高校時代の親友が時折私に言ってきた。
あなたはいい子すぎる。
偽善者だと思われてしまう。
私が結婚する時にも忠告をされた。
あなたは結婚に逃げている。
あと、あの男は危険だ、と。
彼女は私が自分で気づいていないことを既に見抜いていた。
いままで何度も助けられた。
あれから20年以上経ち、やっと彼女のいうことがわかった。
今は子供にそのようなことは言わなくなった。
ただ、聞かれれば「周りに感謝している」ことは堂々と話すだろう。
偽りなく心の底からそう思っているから
