私の身体を採寸する
お母さん、洋服を作って!
私、ピンクのスカートがいいの
そんなことはひと言もいっていない
気が付いたら私は直立し、メジャーを当てられている
いいねえ
いつもお母さんの手作りの洋服だね
優しいお母さんだね
優しくなんかない
本当に優しかったら私が着たい服を作ってくれるはず
何でこんな誰も着ないようなしかも目立つデザインの服なの
こんな服、着たがる女の子はいないよ
その証拠に友達からは羨ましがられたりほめられたことはなかった
変な洋服だねってはっきり言う子もいた
お母さんは喜んでいる
子供ながらに母親が自己満足を得ていることが感じられた
お母さんが満足するために私は存在しているんでしょ
そこに私の意思は必要ない
みんなみたいなお店で売っているスカートがはきたい
ブラウスを着てみたい
従姉妹から洋服のお下がりを貰うとすごく嬉しかった
ヨレヨレで毛玉のついた吊りスカート
従姉妹の家に泊まっている間、ずっとそれを履いていた
自分の家に帰った翌日には、そのスカートはもうなかった