そうだった
私は笑われるのが好きではなかった
お母さんはいつも私のする事を笑っていた
おかしな事をしている
おかしいんじゃないの
普通じゃないよね
そう受け取っていた
私がそう感じたのかもしれないし
実際に言われたのかもしれない
遠いむかしの事でも、こうやって思い出せるなんて人間ってすごい
それだけ 刷り込まれているからなのか
その事を忘れていた時期、
私は笑ってごまかす日常を送っていた
笑う事が「良い事」だと思っていたみたい
笑う = 幸せ
みたいなイメージからそう思ってたのかな
褒め言葉で「笑顔がいいね」っていうのがよくあるもんね
子供に対してだって、お母さんと同じ事をしていた
何やってんの
ばかじゃないの
おかしいんじゃないの
怒らずに笑う
笑って相手を傷つける
楽しい笑いはあまりなかった
楽しいフリの笑いはあった
嫌な感情を押し殺して笑ってごまかすのと
楽しくて心から笑うのは、違うのにね
書きながら思った
お母さんは、私を傷つけながら楽しんでいたのかも
私も子供を傷つけて楽しんでいたような気がする
自分が勝ち誇った気になって満足していた
自分がされた事を 忠実に、同じようにやっている
子供に勝ち誇ってどうするんだよ、私
お母さんは、もういない
私というお母さんだけがいまここにいるから、私が今から何が出来るだろう