あの家で過ごした中学生時代は
私はなにも感じずに生きてきた。
嬉しいことも、悲しいことも、なーんにも。
毎日、口をへの時に曲げて
死んだ魚のような目をして、笑うことなく過ごしてきた。
学校でクラスの女の子が笑っている声が
耳に入ってくるのが嫌だった、不快だった。
家に帰っても、
誰かが私を迎え入れてくれることもなく
逆に、あんたいたの?という扱い。
希望を持って、この家に引っ越してきたのに
居場所はどこにもなく
いてもいいかなと思えた場所は玄関だけ。
居間や台所にいることは出来るけど
肩身が狭く自由に振る舞えず居心地が悪い。
自由に発言しても相手をしてくれる人がいなければ、つまらない。
だんだん話さない方向に行き、寂しさを感じるくらいならと
無感覚になっていった。
下着がなくて欲しいと言えず、気付いてもらうこともできず
かわいいお弁当箱が欲しいとも言えず、
新しい靴下が欲しいと言えず、
みじめさを感じるより、いかに辛さを感じないでいられるかが私の日常だった。