忘れていたことを何かの話の流れで
断片的に思いだし、それを表現することで
より具体的に思い出し
またそれを話すことで更に思い出す
ということをセッションで体験している
セッションを受けていなければ
死ぬまで思い出さなかったであろうことを思い出せることにすごさを感じる
死んだ母親がお通夜で寝かされていた部屋の詳細を思い出してきた
アップライトピアノのカバー
その上においてあるガラスケース入り日本人形
イギリス近衛隊の人形
私と兄の図工や作文でで賞を取った作品と賞状
兄は剣道の防具を着けて竹刀を振っている姿を木版画にして賞を取った
その時に、左手の甲を彫刻刀で切ってしまい大人になっても傷が残っていた
東側に掃き出し窓、北側に腰窓
カーテンじゃなくて格子の障子
床はじゅうたん
壁は草色のじゅらく壁
鴨居には函館の夜景と兄の中学入学時の制服姿のパネルが飾ってあった
サイドボードには、父親が若い頃に野球チームでもらったトロフィーが飾ってあった
北海道で買った陶器のビアマグがあった
大理石模様のローテーブルとソファーのセット
ロッキングチェアが1脚
ソファーの肌触りや質感が、自分の中に残っている
こんなに思い出すのかと鳥肌が立つ
それらの家具を2階に上げて、病院から戻ってきた母親の遺体を寝かす
父親が
◯◯子、帰ってきたよ
と母親に泣きながら話しかけていた
私もかけよって泣きたかった
でもお父さんに先に泣かれてしまったし
目が開いたままの母親の遺体が怖くて出来なかったし、それを言うことも出来なかった
お母さんは死んだ、もう動かない
分かっていたけど死んでしまった
忘れてしまって思い出せないと思っているものは、思い出したくないもの
記憶から消えてなくなることなんてないんだと、自分や他のメンバーさんの過去の記憶が
出てくる話からそう思う
お母さんの亡くなった姿が怖い
みんなの見世物になっている、かわいそう
自分が千羽鶴を折らなかったから死んでしまったという罪悪感
私はそうやって思うことで喪失感を閉じ込めてきていた
セッションで母の話に触れると泣けてしまい、喪失感らしきものが顔を出す